開業応援への思い

きっかけの言葉

 2000年、当時全国的にもまだまだ稀であった在宅医療専門の クリニックを立ち上げました。クリニックを始めて間もない頃、 難病患者さんの家族会に呼ばれ講演をさせて頂いたことがあります。 話が終わり、「何か質問は無いでしょうか?」と会場に問いかけた時 、おもむろに隣県からきたと云う男性の方が立ち上がり、「先生、私の町にはいつ出て来てくれるんでしょうか?」と言われました。 驚きました、と同時に、本当に嬉しかったです。「あー、自分たちのような存在を待ってくれている人がいるんだ。もっと頑張らないといけない!」そう思いました。まだ開業から日が浅く、患者確保もままならなかった時期でしたので、なおさら暖かい激励を受けたような思いが致しました。それから、ずいぶん経ちました。私たちは、その間、本当にたくさんの患者様や ご家族様と出会い、そして多くの皆さんが在宅で過ごすこと、ご自宅で最期を迎えられることに関わらせて頂いて参りました。

使命としての取組み

 高齢化の進行や在宅療養のニーズ拡大の中、在宅医療専門クリニックの必要性はますます増大するものと思われます。しかしその担い手である、在宅医療を目指したいと考えるドクターにあっても、在宅専門クリニックが他の開業とはスタイルを異にするため、患者確保や診療所運営のノウハウに不安を抱かれたり、あるいは逆に何らかの方法でそれを身に付けたいと考えておられるのではないでしょうか…。もしかすると、そう云った先生方のお役に立つことが、少し早くから在宅医療に取り組んできた我々に果たせる使命であり、そしてまた、いつかのあの男性との約束を果たせることにつながるのではないかと考えています。在宅医療クリニック開業を目指される先生方、どうぞ、私共と共に働き、学び、そしてそれぞれの地で開業を目指されませんか!

開業応援のしくみ

常勤としての従事

 当方の常勤医師として一定年数(1年間~)勤務し日々の診療を通して様々なケースでの対処や対応を経験します。

在宅当番

 在宅医療にとって24時間対応は必須です。当番シフトに入り、緊急時の対応や往診などを行います。なお当方の当番は完全当番制でONとOFFが完全に分かれています。

毎日の申し送り

 毎日の申し送りは状態の安定しない患者様等への緊急時対応等での生命線となる重要なものです。



電子カルテ

 電子カルテやモバイルは在宅医療には必須のアイテムです。また全職員で情報を共有するにはどう云った仕組作りをするかもとても重要です。

他医療機関とのカンファレンス

 患者紹介元であり入院受入先である病院との連携は極めて重要な要素です。カンファレンスや日々の相互のやり取りの中で経験を深めます。

クリニック見学

 在宅クリニックは、その土地や環境、あるいは各々の方向性などにより、そのスタイルから運営方法まで十人十色。つながりのある全国のクリニックを見学訪問しその違いを実際に体験してもらいます。



経営や人材のこと

A理念

 在宅医療に対する自身の理念は、全ての行動や判断の基準であり、組織全体のベクトルを合わせるために絶対不可欠なものと考えます。

B良い人材確保

 質の高い医療サービス提供のための最大のポイントは、良い人材の確保!患者様の生活の中に入っていく在宅医療においては、相手の視点で考えることのできる、いわば人として社会人としての対応力が不可欠です。

C組織風土づくり

 仕事のやりがい、職場風土、条件を整えることで職員が満足できる環境が整います。働く者が満足のいく仕組みを構築することこそが、患者満足に繋がる最も大切な要素です。

Dシステム構築

 患者情報の把握、医師・職員間の情報共有、患者・家族・連携先への連絡・報告等のシステム(方法)を構築することが、患者・家族および紹介元・連携先の信頼を勝ち得て行くベースとなります。

E数値管理

 患者数推移、紹介元状況、在院期間や、売上・費用・固定費など、感覚に捉われず客観的に現状を見つめていくことで、成功要因や課題が明白となります。

開業への学び

小森栄作先生の場合

四国がんセンター外科医より出身地岡山での在宅クリニックの開業をめざし、1年間たんぽぽクリニックに勤務されました。2010年にももたろう往診クリニックを岡山市で開設し、現在活躍中!

診療について学ぶ

 常勤医として様々なケースに対応する中で、診療、緊急時対応、連携、マネジメントなどの経験値が積み上がります。

準備について学ぶ

 勤務しながらの準備は大変ですが、在宅クリニックでの毎日の中で、何をどう準備すれば良いのかが明確に見えてくる訳でもあります。

他クリニックを学ぶ

 同じ在宅医療でも他のクリニックでは方針や運営方法は随分と違うもの。ネットワークを活用し全国の在宅クリニックを見学したことはとても有意義でした。

制度について学ぶ

 当院の在宅試験を通して医療保険、介護保険の制度や仕組みについて学んだことは、自身のクリニックのマネジメントにも役立ちそうです。

催しについて学ぶ

 様々なイベントの実施おいて、集患や紹介元拡大の方策あるいは組織運営のノウハウを経験することは、自身の幅を広げる機会にもなります。