職員リレーエッセイ

  

02 おむすびの形🍙

三角、たわら、まる、おにぎらず。世の中におむすびの形はいろいろありまして、私が上手にできるのは「まる」のみです。三角とたわらは、手で握った時の指の跡がついてしまい、それが気になって何回か握り直すとギュウギュウのおむすびになります。 私が卒業した栄養士学校の信条は、『料理とは手のひらの愛をかさねてつくるもの』でした。
まさにおむすびにぴったりです。

学校では栄養価を考えながらいろんな種類のおむすびを握ってみたのですが、やはり三角とたわらは全滅。 「まる」のみにシフトし「まる」の精度を上げていきました。おかげで私のつくる「まる」おむすびはとてもきれいです。


あんパンのような、お焼きのような楕円形のまるい形です。餅にも似ています。
父方の祖母もこの形のおむすびを作るのが得意でしたので、遺伝的要素があるのかも知れません。

現代は、残ったご飯は冷凍保存することが多いと思いますが、祖母の家では「まる」おむすびをたくさん作って網のかごに入れ、風が通る涼しい場所につるしていました。囲炉裏がある季節には、かごから下ろしてきてお醤油をつけて焼いてくれました。
器用にまるい形のおむすびを握る祖母と、パチパチという囲炉裏の音や、焦げたおいしいお醤油の匂いを思い出します。

「まる」おむすびの具についてのお話ですが、数ある食材の中から選ばれましたのは、高菜とチーズおかかです。
九州は高菜漬が盛んで、その中でも「古高菜の油炒め」が人気です。
長く漬けて渋い色になった高菜をきざんで油で炒め、お醤油、砂糖、鷹の爪、粒ごまで味をつけます。
このような高菜を混ぜ込んだおむすびは、できたてのほかほかでも、時間が経って冷めたものでもとてもおいしいのです。
チーズおかかに関しましては、プロセスチーズをキューブ状にカットして、おかか醤油で和えます。それがインしたおむすびはもう夢のようです。

私は栄養士で、普段料理をすることが好きです。気に入ったおむすびができた時に、友人や職場の方にそっと差し上げることがあるのですが、その時の喜んでくれる表情が嬉しいです。
これからの人生も、たくさんの「まる」おむすびをみなさんの幸せを願ってつくっていきたいと思います。

Written by 管理栄養士 H