職員リレーエッセイ

  

19 コロナ禍で出会えた小さな喜び

新型コロナウイルス感染症という大きな激震が世の中を駆け巡り、丸3年あまり経過しました。
医療現場の混乱は私たち在宅医療においても大きな影響をもたらし、医療者のみならず患者様・ご家族様をはじめ、皆が心身ともに疲弊し疲れ切っていました。

それは大人たちだけではなく、子供たちの学校生活にも大きな影響を及ぼすことになりました。


我が家の子供たちは、小学校高学年~中学校の期間をコロナ禍で過ごしました。
マスクとアクリル板に遮られた生活は、5月になっても新学期は始まらず、給食は黙食、音楽の授業も「心の中で歌う」が中心となり、式典や運動会などの行事も短縮やオンライン、中止となるものもありました。

学校生活の最大の楽しみでもある修学旅行も県内のみの旅行となりました。
南予をめぐり松山で宿泊、翌日東予に出かけ、松山に戻るという旅程は、とても味気なく残念なものに思えました。
ところが、帰宅した子供たちの笑顔の素晴らしいこと!
聞けば、行く先々で大きな歓迎を受けたと言うのです。立ち寄った先で頂いた子供たちへの温かい言葉かけ、昼食だけの短時間の利用施設でも、学生一人ひとりに健康と幸せを願った「折り鶴」を作ってくださるなど、人の優しさ・温かさ、人との関わりの素晴らしさを学んで帰ってきたようでした。

爆発的に感染が広がり人との距離を求められていた中で、心の寄り添いや交流が子供たち・私たち親にとってどんなに嬉しかったことか計り知れません。
制限ばかりの毎日でしたが、できないことの中でも子供たちは多くのことを学び、経験し、ちゃんと成長しているのだと嬉しく思った、そんなお話でした。

Written by 看護師 Y