21 歌のちから


中学生の頃、歌手のさだまさしさんの熱烈なファンでした。
その頃はニューミュージック全盛期で、男性歌手ならさだまさし派と松山千春派というように、二人の人気は凄まじいものでした。
もちろん、松山千春さんのあの伸びやかな声で歌う「大空と大地の中で」などの楽曲は素晴らしく、さださんのライバル?でありながらリスペクトしていました。

さださんのどこが好きだったのか思い出してみると、とても面白いトーク、「案山子」「精霊流し」「関白宣言」などまるで小説のように情景を歌い上げる歌唱力、美しい声、エッセイも読み応えがあり文章力も素晴らしかったです。
私は田舎で暮らしていたので、もっぱらラジオやカセットテープでその声を聴く日々でしたが、一度だけコンサートに行くことが出来ました。けれど、これは現実なのかと思っているうちにコンサートは終わり、今も夢だったのではないかと思うほど内容が全く思い出せません。

それから暫くして、「ギザギザハートの子守唄」で日本中を席巻したチェッカーズのボーカル藤井フミヤさんに夢中になり、さださんのポスターはいつの間にかどこかに行ってしまいましたが、今でも時々テレビで観るさださんのトークや歌唱力は衰えることなく、人を引き付ける魅力に溢れています。

色褪せない歌の数々がキーワードになり、思い出す若い時は些細なことで傷つきやすかったりしましたが、そんな時に癒してくれたり元気にしてくれたりたくさんの歌に大きな力を貰っていたことを、このエッセイを書きながら思い出すことが出来ました。
また訪問でお伺いした時、好きだった歌のお話や思い出を良かったら聞かせてください。

2023.9.3  Written by 看護師 H