お問合せ電話番号 (089) 911-6333
終末期に本人の意思を尊重すること、患者の痛みや苦痛を取り除くことは最優先されるべきですが、同時に家族の後悔が少なく、納得できる看取りにすることも忘れてはなりません。このことを私は「看取りのプロデュース」と呼んでいます。 83歳のヒサノブさん(仮名)が食道がんと診断されたのは半年前のことです。しかし、すでにがん細胞が動脈や気管にまで広がっていて手術も放射線治療もできない状態で、1ヶ月もすると食道の通過障害で胃ろうも必要になりました。化学療法は受けていたのですが誤嚥性肺炎を何度も起こしたため、中止されました。病院の主治医から予後は2、3ヶ月、肺炎による急変もあると言われた時には、誤嚥性肺炎で入退院を繰り返したこともあって「もう入院はしたくない、自宅で療養したい」とヒサノブさんと奥さんは在宅医療を選んだのでした。 大病することもなく83歳まで生きてきたヒサノブさんが、たった半年で酸素吸入や胃ろうが必要な状態になり、予後まで宣告されたのです。現状が受入れ難いことは容易に想像できました。
第25回 なぜ「自宅での看取り」が普及しないのか?
第24回 楽なほうがいいか、1分1秒でも長く生きるほうがいいか
第23回 告知に向き合う
第22回 胃ろうをするか否か
第21回 どんな状態でも家に帰ることはできます
第20回 看取り支援は百人百様 ~柔軟に対応を~
第19回 わがままな患者さんを許容できるか?
第18回 自然に逝くということ
第17回 家で亡くなったら警察沙汰!?
第16回 意思決定支援に重要な5つのポイント
第15回 死に向き合う
第14回 納得できる最期とは何か
第13回 亡くなる前に点滴はいらない
第12回 亡くなる瞬間はみていなくてもいい
第11回 家で臨終を迎えるとき
第10回 大切な人の『死に目』に会うということ
第9回 最期の瞬間に医師はいらない!
第8回 最期の3日間
第7回 埼玉県医師銃撃事件に思う
第6回 「亡くなるまで食べる」ことの意味
第5回 点滴をする選択、しない選択
第4回 一人暮らしでの看取り
第3回 本人の気持ちに思いを馳せる
第2回 ブラックジャックの名言
第1回 天寿と長寿
おうちでの看取り
在宅医療の質を高める
在宅クリニック運営のノウハウ NEW